« 黒と白の殺意(水原 秀策) | トップページ | 東京ダモイ(鏑木 蓮) »

2007年2月11日 (日)

さまよう刃(東野 圭吾)

 裁く権利は誰にあるのか?不良少年たちに蹂躙され死体となった娘の復讐のために、父は仲間の一人を殺害し逃亡する。「遺族による復讐殺人」としてマスコミにもセンセーショナルに取り上げられる。世間の考えは賛否が大きく分かれ、警察内部でも父親に対する同情論が密かに持ち上がった。はたして犯人を裁く権利は遺族にあるのか?社会、マスコミそして警察まで巻き込んだ人々の心を揺さぶる復讐行の結末は…。



 samayou.jpg さまよう刃

icon



 本書では残酷な行為を犯す少年犯罪に対し、間違った道に進んだ少年を更生させる少年法の理念と被害者やその家族の怒りや、恨みを晴らしたいと云う気持ち。これらの問題を投げ掛けた作品で、被害者の父・長峰がその問いに答えを提示すると云うもの。



 冒頭から耐え難い描写が続き、娘の無残な姿を見せられて復讐に燃える長峰の心理や加害者側の家族の心理を見事に描ききっていました。また、少年らによる犯罪を取り巻く様々な状況や問題を見事に描写していて人々の苦悩が伝わってくるのが凄かったです。

 少年犯罪に関して、刑が軽すぎるという指摘や被害者側にもっと配慮すべきだという意見が増えている昨今。更生させることは重要だが、被害者の心の傷は誰が癒すのか?決して許される事ではない復讐殺人。でも、長峰の心情を汲むと、これは正解なのかも知れない……。自分(加害者に)がどれだけの憎悪を受ける行為をしたかを思い知らせてやりたくなりました。

 長峰は無事復讐を果たせるのか?ハラハラドキドキしながら読み進めていたのですが呆気ない幕切れで、少し残念でした。weep しかし、このまま終る東野圭吾ではなくラストでは……きっちりと騙されていました。flair



stars-4-0-.gif


|

« 黒と白の殺意(水原 秀策) | トップページ | 東京ダモイ(鏑木 蓮) »

東野 圭吾」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 黒と白の殺意(水原 秀策) | トップページ | 東京ダモイ(鏑木 蓮) »