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2007年5月27日 (日)

氷の華(天野 節子)

 吉川栄治文学賞受賞作。



どこに居たって、怖いものや汚いものには遭遇する。それが生きることだ。連続無差別殺人件。あらゆる場所に「毒」は潜む。誰が、何故、何のために?そして事件は・・・それぞれの“名もなき人生“を炙り出す。

 結婚12年の隆之恭子は、誰もが羨む夫婦生活を送っていた。ある日、恭子のもとにかかってきた夫の愛人と名乗る女からの電話。そこで告げられた事実が、彼女を殺人へと駆り立てる。罠が罠を呼ぶ、本格ミステリー。



 img20070527.jpg  氷の華

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 本書、事件を起こさざる得なかった犯罪者の動機を基に人間の持つ“弱さ”や“脆さ(もろさ)”というものを描いた作品。

 主人公・瀬野恭子は知的で華やか、プライドが高く何不自由ない生活を送っている。彼女はある瞬間をきっかけに心を凍てつかせ、殺意を抱き犯罪へ…。weep

 トリックを解き明かそうと執念深く追う戸田刑事との攻防が実によく描かれていて、テンポがよく一気に読める作品でした。 プロットも確りとしていた。何よりも、罠に嵌った主人公が逆に罠を仕掛け完全犯罪にするところは面白い。このままラストを迎えた方が良いと思っていたが…、そこはやはり作者の思いなのか、綺麗な幕切れでした。

 次作が楽しみです。happy02



stars-4-5-.gif






セブンアンドワイ

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