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2007年6月22日 (金)

最愛(真保 裕一)

 小児科医の押村悟郎の携帯電話が鳴った。警視庁の刑事からだった。18年間会っていない姉が、意識不明で救急病院に搬送されたという。shock 重傷の火傷、頭部にうけた銃創。しかもそれは、伊吹という男と婚姻届を出した翌日の出来事だった。姉のアパートで見つけた不審な預金通帳、姿を現さない新婚の夫。噛み合わない事実、逃げる男と追う男。「姉さん、あなたはいったい何をしていたんだ…」愛のかたちがここにある―。



 img20070622.jpg  最愛

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 本書、幼い頃に両親を事故で亡くし、お互い違う親戚に引き取られた姉と弟。音信不通だった姉が不慮の事故に遭い意識不明の重体であるとの知らせを受ける主人公の弟。姉の過去を調べていく過程で段々と明らかになるその姿に愛おしさで胸が締め付けられる。交わりとすれ違いを繰り返す登場人物それぞれの想いが、“最愛”という言葉を何度も響かせる。深く惹き込まれ、忘れがたい余韻を残す。

 この作品ミステリーの範疇ではないが、結末に繋がる伏線の張り方はミステリー的で最後まで一気に読めてしまう。こういうプロットは著者の意図したことだろう。なによりも著者が問いたかったことは、“罪を犯した人を受け止められる”か?また、自分も罪を犯した人であれば“傷をなめ合うような愛し方ができる“これが愛と言えるのか?そして、ラスト・・・う~ん、考えさせられる book だった。



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セブンアンドワイ


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