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2007年9月17日 (月)

夜明けの街で(東野 圭吾)

 幸福な家庭で起きた殺人事件。まもなく時効を迎える。僕はその容疑者と不倫の恋に堕ちた――。

 この恋はどこまで続くのだろうか。

 不倫するやつなんて馬鹿だと思っていた。ところが僕は、その台詞を自分に対して発しなければならなくなる。

 ただし、その言葉の後に、こう続ける。でも、どうしようもない時もある。



 渡部の働く会社に、派遣社員の仲西秋葉がやって来たのは、去年のお盆休み明けだった。僕の目には若く見えたが、彼女は31歳だった。

 その後、僕らの距離は急速に縮まり、ついに越えてはならない境界線を越えてしまう。しかし、秋葉の家庭は複雑な事情を抱えていた。両親は離婚し、母親は自殺。彼女の横浜の実家では、15年前、父の愛人が殺されるという事件まで起こっていた。殺人現場に倒れていた秋葉は真犯人の容疑をかけられながらも、沈黙を貫いてきた。

 犯罪者かもしれない女性と不倫の恋に堕ちた渡部の心境は揺れ動く。果たして秋葉は罪を犯したのか。まもなく、事件は時効を迎えようとしていた…。



 img20070917.jpg  夜明けの街で

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 いっときの遊び、浮気、純愛などさまざまだが、いずれにせよ夫婦間では大きな問題である、『不倫』をテーマにした作品。

 本作では、盛んに言い訳や口実を探し、謎めいたヒロインに翻弄されつつも不倫にのめりこんでいく、そんな男の心理と行動が見事なまでに描かれている。

 哀れさを感じる場面もあるくらいだ。と同時に、過去の事件にまつわるタイムリミット・サスペンスとしての意外な展開が加わり、単なるドラマに終っていない。読み始めると、最後まで一気にページを捲らせる一冊だ。



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