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2008年3月23日 (日)

過去からの手紙(岸田 るり子)

 一週間の沖縄合宿から帰ってきた純二。久しぶりの我が家で待っていたのは、奇妙な置き手紙と、腐ってもいないのに捨てられたシチュー用の肉、そして、数日前から母親が家に帰っていないという事実だった。

 ひとつひとつは取るに足らない、小さな違和感が積み重なっていく。それが不安に変わるころ、母が発見された。記憶を失って…。知れば知るほど不可解な母の行動と、増殖していく謎。

 美人だが、いつも一言多い幼なじみの静海の力を借りて、純二は母が失った空白の過去をたどる決意をする…。

 京都の町を自転車で駆けめぐる、個性豊かな高校生たちの活躍が楽しい、爽やかな青春ミステリー。



 img20080323.jpg  過去からの手紙

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 主人公の静海は、個性的な父親を持ったがゆえ、ノリが悪く、理屈で周りをやりこめ、幼なじみの純二にもうんざりされている。それでいて、本人は客観性に欠け自分のことはよく見えていない、愛嬌のある女子高校生。著者によれば、最近の人は物事を深く考えずに、簡単に情報に流されてしまいがち。そうじゃなく言葉の意味をよく考えて、つっかかってしまう不器用な子を登場させてみたいという、最近の若者を危惧した想いから主人公の静海を描いたらしい。

 本作は、今までとは違ったキャラクター作りになっていたし、純二静海の微妙に相手を意識した内面描写は見事だった。それから、作品の中で楽しそうに料理を作っているシーンの描写も良く、若者たちのワクワクした気持ちが伝わってくる。どの料理も美味しそうで食べたいという気持ちにもなってしまう。

 また、今回は「ミステリーYA!」からのリリースということで、ミステリーというよりも若々しい二人が繰り広げる青春ドラマという感じで読んだ方が楽しめる作品である。



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