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2008年6月 3日 (火)

山魔(やまんま)の如き嗤うもの(三津田 信三)

 山魔に嗤われたら…終わり。忌み山で人目を避けるように暮らしていた一家が忽然と消えた。惨劇はそこから始まる。あたかもそれは六地蔵様の童唄のようだった。「しろじぞうさま、のーぼる」一人目の犠牲者が出た。「くろうじぞうさま、さーぐる」二人目の犠牲者…。「あかじぞうさま、こーもる」そして……。消失と惨劇の忌み山で刀城言耶が「見た」ものとは…。怪奇幻想作家・刀城言耶シリーズ第四弾。



img20080603.jpg  山魔(やまんま)の如き嗤うもの

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 物語は、郷木靖美(ごうき・のぶよし)が書いた『忌み山の一夜』と題された原稿から始まる。ここでは“忌み山”に対する恐怖心が上手く描写されていて、ホラー的要素はここに集約されていると云ってもいいだろう。不可抗力とはいえ、郷木靖美が忌み山を侵してしまったことが、この禍々しい事件の発端となり、一家消失事件を皮切りに、六地蔵様の童唄になぞらえた連続殺人事件が起こる。

 ラストでは、刀城言耶の謎解きが披露される。これがまた、お決まりの二転三転、最後には大ドンデン返しときている。緻密に考えられた伏線の張り方や、それを収束するテクニックはお見事sign01 登場人物の名前と地名の読み辛さは依然残るものの、今まで以上に惹き込まれる作品だったのはいうまでもない。



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