« 秋烏賊(その1) | トップページ | 最悪の秋烏賊(その2) »

2008年9月 7日 (日)

カラスの親指/道尾 秀介

 詐欺”を生業としている、したたかな中年二人組。ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。戸惑う二人。やがて 同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは…。



 img20080907.jpg  カラスの親指

icon



 詐欺罪とは、人を欺いて財物を交付させたり、財産上不法の利益を得ること、または他人にこれを得させることにより成立する犯罪のこと。メディアなどであらゆる詐欺の手口が紹介され、対策等を講じられているにも関わらず、未だに騙される人が後を経たない。いい例が“オレオレ詐欺”である。現に今でも被害者が出ているらしい。騙す方が悪いのか?それとも騙される方が悪いのだろうか?

 本作、“詐欺”を生活の糧としている二人の中年男性が、過去に犯した罪への報復に脅えながらも、生きるために詐欺行為を繰り返していく。そんな二人の共同生活に、突然十八歳の少女が舞い込んでくる。家族を失った二人が再び“家族”を知り、ついに過去と決別すべく奔走する!裏社会を舞台に繰り広げられる頭脳戦。心理的に騙されやすい詐欺の手口を取り入れ、“家族”をテーマにコミカルで楽しく、それでいてあらゆる所に伏線が散りばめられた一気読み間違いなしの作品である。

 そして、何より騙されていたのは、他ならぬ読者だろう。“サプライズマジシャン”の異名をとる道尾秀介ならではの出来だsign01

 

stars-4-5-.gif


|

« 秋烏賊(その1) | トップページ | 最悪の秋烏賊(その2) »

道尾 秀介」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 秋烏賊(その1) | トップページ | 最悪の秋烏賊(その2) »