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2009年11月17日 (火)

凶鳥(まがとり)の如き忌むもの/三津田 信三

 瀬戸内に残る鳥坏島の秘儀、断崖絶壁の拝殿で行われる鳥人の儀。その儀式のさなかに巫女が消え失せてしまう。「大鳥様の奇跡」が、刀城言耶を震撼させる。書き下ろしシリーズ短篇「天魔の如き跳ぶもの」を特別収録。



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 本書、「厭魅(まじもの)の如き憑くもの」に続く刀城言耶シリーズ二作目である。

 怪異譚を求め日本中をたずねる小説家・刀城言耶は、瀬戸内にある鳥坏島の秘儀を取材しに行く。そこで島の断崖絶壁の上に造られた拝殿で執り行われる“鳥人の儀”に参加するが、儀礼中に巫女が消えてしまう。これは、大鳥様の奇跡なのか?はたまた鳥女と呼ばれる化け物の仕業なのか?

 本書もまた、本格ミステリーと民俗ホラーを融合させた作品となっているが、「厭魅の如き憑くもの」に比べホラー的要素は欠ける。しかし、ミステリー的要素はこちらの方が強く感じられる。密室状況からの人間消失の謎自体はよくあるものだが、そのトリックは独創的。巧みに張られた伏線を拾い集め、全ての謎が解き明かされていく様は圧巻である。

 特別収録されている短編「天魔の如き跳ぶもの」は、刀城言耶が学生時代に遭遇した事件。

 先輩の阿武隈川烏とともに“天魔”という奇妙な屋敷神を祀っている武蔵茶郷の箕作家にやって来た刀城言耶。そこの裏庭にある竹薮では、近所の子どもが足跡だけを残して消えてしまう、という奇怪な事件が起きたらしい……。



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