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2010年7月

2010年7月19日 (月)

ロスト・シンボル/ダン・ブラウン

 『ダ・ヴィンチ・コード』の事件から数年経ったある日、ハーヴァード大学の宗教象徴学教授ロバート・ラングドンは、フリーメイソンの最高位階にあたる恩師ピーター・ソロモンから講演の依頼を受け、ワシントンDCへと赴く。ところが、そこに待ち受けていたのは、ソロモンの切断された手首と、”古の神秘”に至る門を解き放てという謎の男からの脅迫だった。そこへ、CIAの保安局局長サトウが突然駆けつけ、国家の安全保障のために、謎の男の要求に従うようラングドンに迫る。一方、ソロモンの妹である純粋知性科学者キャサリンのもとにも、その命と研究成果を狙う魔の手が迫りつつあった。

  

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 フリーメイソンが守り続けてきたという”古の神秘”をめぐる追跡劇を軸とし、暗号解読、名所巡り、歴史的建造物や芸術作品に関するさまざまな蘊蓄といった、ラングドン・シリーズにおなじみの要素が、この作品にもふんだんに盛り込まれている。冒頭からクライマックスまでわずか半日程度の物語のなかで、歴史上の事実とフィクションを巧みに織り交ぜて知的好奇心を刺激しながら、映像的な手法でページを捲らせる驚異の技巧は相変わらず健在だ。あくまでもエンタテイメントの枠を保ちつつも、人間と宗教と科学の根源的なテーマを強烈に突きつけるその作劇術は、離れ業としか呼びようがない。

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