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2012年6月

2012年6月19日 (火)

味なしクッキー/岸田 るり子

 別れを決意して「最後の晩餐」の支度をする女、高校時代の友人の自殺の真相を知りたがる女、不倫相手にクッキーを焼く女……。「どうしてあなたはわかってくれないのかしら」気鋭の描く「無垢と悪意」の後味は?

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 全編、ブラックな結末が待っている短編集全六編。いずれもイヤミスとして極上の魅力を放つ珠玉の逸品で、大いに堪能できる。

Stars35


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十字屋敷のピエロ/東野 圭吾

 ぼくはピエロの人形だ。人形だから動けない。しゃべることもできない。殺人者は安心してぼくの前で凶行を繰り返す。もし、そのぼくが読者のあなたにだけ、目撃したことを語れるならば…しかもドンデン返しがあって真犯人がいる。前代未聞の仕掛けで推理読者に挑戦する気鋭の乱歩賞作家の新感覚ミステリー。

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 本書は連続殺人事件の中心にピエロを置き、登場人物とは違った視点から事件を語らせている。探偵では事件を目撃できないし、渦中の人物おなじ役割を振れば、必ずどこかでアンフェアな描写を余儀なくされる。最初はただの趣向としか思えない。だが、読み進めるにつれてピエロの存在が事件そのものの解明に大きな意味を持っていることに気付かされる。
 そして大団円の至って、読者はピエロの目撃した状況にすべてのヒントが隠されていたことを知る。ピエロは目撃者であり、小さな探偵である。しかも嘘をつかずに読者にミスリードを誘う小道具の役割も担わされている。

Stars40


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