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2012年10月

2012年10月18日 (木)

殺人現場は雲の上/東野 圭吾

 新日本航空の花のスチュワーデス、通称・エー子とビー子。同期入社でルームメイトという誰もが知る仲よしコンビ。容姿と性格にはかなり差がある凸凹コンビではあるけれど…。この二人が奇妙な事件に遭遇する。昼間、乗務中にお世話した男の妻が、自動ロックのホテルの室内で殺害されたのだ。雲をつかむような難事件の謎に挑む二人の推理はいかに?

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 「ステイの夜は殺人の夜」「忘れ物に御注意ください」「お見合いシートのシンデレラ」「旅は道連れミステリアス」「とても大事な落し物」「マボロシの乗客」「狙われたエー子」の7編からなる短編集。

Stars30

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2012年10月11日 (木)

死命/薬丸 岳

 榊信一は大学時代に同郷の恋人を絞め殺しかけ、自分の中に眠る、すべての女に向けられた殺人願望に気づく。ある日、自分が病に冒され余命僅かと知り、欲望に忠実に生きることを決意する。それは連続殺人の始まりだった。榊の元恋人だけが榊の過去の秘密を知るなか、事件を追う刑事、蒼井凌にも病が襲いかかり、死へのカウントダウンが鳴り響く。そして事件は予想もしない方向へ―衝撃の展開、感涙の結末。

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 「死命」には二つの意味がある。一つは「死ぬべきいのち」。もう一つは「死と生命、生きるか死ぬかの急所」。「死命を制する」といえば、他人の生死の急所をおさえ、その運命を自分の手に握ることだ。本書は二つの「死命」を重ね合わせに描き生きることの意味を問う、サスペンスミステリーの力作である。
 
榊 信一、33歳。デイトレーダー。株の売買で巨万の富を築き、東京湾岸の豪華マンションに独りで住む。澄乃というおさななじみの恋人がいるが、性欲が高じると、すべての女を殺したくなるという衝動を内に秘めている。末期がんで余命数ヶ月と診断された日から、自分の欲望に忠実に生きようと決意し、次々と殺人に手を染めていく。
 
蒼井 凌、53歳。警視庁捜査一課刑事。2年前に妻を亡くし、ダンサーの娘、高校生の息子と3人で暮らす。組織捜査になじまない一匹狼だが、独特の勘の持ち主で、事件となれば寝食を忘れる。胃がんの再発で余命数ヶ月と知った日から、連続女性殺害事件の捜査に最後の執念を燃やす。
 
事件は、この2人に澄乃を加えた三つの視点から交互に描かれる。物語の進展につれて、榊の殺人衝動のもとになった少年時代の事件が浮かび上がる。
 
だから読者は、異常心理による快楽殺人を扱った犯罪小説、はみだし刑事の執念の捜査を描いた警察小説、禁断の恋のゆくえを追う恋愛小説。連続殺人の動機をめぐる推理小説の四つを同時進行で味わうことができる。
 
しかし、この作品の最大の読みどころは、病魔に死命を制された2人の男が、残された生命をかけて文字通りの死闘を展開する、その息づまるサスペンスにある。世にミステリー多しといえども、これほどの迫力と臨場感をもって「死ぬべきいのち」の急所を描いた作品は珍しい。

Stars45_2

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2012年10月 9日 (火)

虚像の道化師/東野 圭吾

 「幻惑(まど わ)す」 新興宗教の教祖が送る念、奇妙な幻聴、不可思議な殺人現場、犯人が仕掛けたト ラップ。ガリレオこと湯川がすべての謎を解き明かす 東野圭吾の代表作、「ガリレオシリーズ」の最新短編集。 ビル5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。その場にいた者たち は、男が何かから逃れるように勝手に窓から飛び降りたと証言し、教祖は相手に指 一本触れないものの、自分が強い念を送って男を落としてしまったと自首してき た。教祖の“念”は本物なのか? 湯川は教団に赴きからくりを見破る。

 「心 聴(きこえ)る」 突然暴れだした男を取り押さえようとして草薙が刺された。逮捕され た男は幻聴のせいだと供述した。そして男が勤める会社では、ノイローゼ気味だっ た部長が少し前に自殺し、また幻聴に悩む女子社員もいた。幻聴の正体は…。

 「偽装(よそお)う」 大学時代の友人の結婚式のために、山中のリゾートホテルに やって来た湯川と草薙。その日は天候が荒れて道が崩れ、麓の町との行き来が出来 なくなる。ところがホテルからさらに奥に行った別荘で、夫婦が殺されていると通 報が入る。草薙は現場に入るが、草薙が撮影した現場写真を見た湯川は、事件のお かしな点に気づく。

 「演技(えんじ)る」 劇団の演出家が殺された。凶器は芝 居で使う予定だったナイフ。だが劇団の関係者にはみなアリバイがあった。湯川 は、残された凶器の不可解さに着目する。

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  読み応え充分の4作を収録。湯川のクールでスマートな推理が光る、ガリレオ短編集 第4弾。

Stars40

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