海堂 尊

2007年11月14日 (水)

ブラックペアン1988(海堂 尊)

 外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院…大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。

 『チーム・バチスタの栄光』で颯爽とベストセラーデビューした現役医師作家の新作もおなじみ東城大学医学部付属病院が舞台。新人外科医師世良が直面するのは重い医療の真実と新米講師高階や藤原婦長の謎の行動。医学界崩壊カウントダウンの1988年に起きるのは“軌跡の手術”による感動の結末。



 img20071114.jpg  ブラックペアン1988

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 強烈な個性を持つ主人公たち、医療現場を鮮やかに映し出す迫真の描写、ユーモアたっぷりの会話、織りまぜられた大胆な虚構性など、一級のエンターテイメントとして読むものを魅了し続けている。

 本作は、初期三作品同様、東城大学医学部付属病院を舞台にしているものの、題名のとおり1988年の出来事が語られていく作品。

 外科研修医の世良は、日本を代表する名医である佐伯教授のもと第二助手として外科手術の現場に携わる事になった。そんな時、新たに講師として外科教室にやってきた高階は、最新の手術用機器を積極的に導入しようとして、佐伯教授と対立していった。

 世良は現場の経験を積みながらも、大学病院内の様様な暗部や策謀を目の当たりにする…。

 例によって、「糸結びの練習」「小天狗」など、印象深いエピソードやキャラクターが随所に登場し、最後まで一気に読ませていく。主人公が新人研修医だけに苦い青春ものとしての味わいもある一方、従来の過剰なドタバタ劇が影をひそめた分、人間ドラマの奥行きが増し、海堂版“白い巨塔”の趣が強い作品だった。



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2007年8月12日 (日)

ジェネラル・ルージュの凱旋(海堂 尊)

 桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。それは救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。病院長・高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)委員長・沼田による嫌味な介入や、ドジな新人看護師・姫宮と厚生労働省の“火喰い鳥”白鳥の登場で、さらに複雑な事態に突入していく。

 将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか……。そして、さらなる大惨事が桜宮市と病院を直撃する。



 img20070812.jpg  ジェネラル・ルージュの凱旋

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 本書、2作目の『ナイチンゲールの沈黙』とほぼ同時進行のとなっている。今回は凄腕の救命救急センター部長・速水に収賄容疑が掛かり、倫理問題審査会やリスクマネジメント委員会を通じて現在の救急医療に対して問題提起した作品。

 著者としては4作目となるこの作品。3作目がかなりパワーダウン していたこともあり、この作品を購入するのを思案していたが意を決し sweat01 購入。半分諦めムードで読んでいたが…医療現場の臨場感ある描写には圧巻で引き込まれた。予想を反し大いに楽しめるエンタメ作品だった。 これも『ナイチンゲールの沈黙』『螺鈿迷宮』が伏線となっているのだろう。



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2006年12月31日 (日)

螺鈿迷宮(海堂 尊)

 日本の医療界を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」から一年半。その舞台となった東城大学に医学生として通う天馬は、留年を繰り返し既に医学の道をリタイア寸前だった。

 ある日、幼なじみの新聞記者・葉子から、碧翠院桜宮病院に潜入できないかと依頼を受ける。

 東城大学の近隣病院である桜宮病院は、老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化させた複合型病院であり、終末医療の最先端施設としてメディアの注目を集めていた。

 しかし、その経営には黒い噂が絶えないという。天馬は葉子の依頼を受け、看護ボランティアとして桜宮病院に通い始めるが、ある時から疑念を感じる。『この病院、あまりにも人が死にすぎる』と…。shock



 img20061231.jpg 螺鈿迷宮

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 本書、『チーム・バチスタの栄光』・『ナイチンゲールの沈黙』の続編となる3作目。そして、白鳥の最強の部下“氷姫”が、登場すると云うことなので読んでみました。book

 前作から前フリのあった氷姫。登場時は想像していたキャラとは少し違い、ドジで間抜けな感じで天馬との絡みが大変面白かったです。ラストでは賢い女性官僚のキャラに成っていて、想像していた通りでした…。happy01

 今回、白鳥は奇妙な皮膚科医で登場し、患者とのやり取りは笑えましたね~。 すみれ先生との絡みも面白かったのですが、田口先生との絡みを期待していただけに少し残念でした。

 そして、後半…。ロジカル・モンスターと呼ばれる白鳥、でも、そこには1作目の白鳥は居なかったですsign01weep 明らかにパワーダウンしています。

 3作品中、お笑いではこの作品が一番だと思いますが…ミステリーの範疇からは懸け離れた作品でした。gawk



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 次はどのような作品になるのやら…期待しましょう。note



  セブンアンドワイ

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2006年11月12日 (日)

ナイチンゲールの沈黙(海堂 尊)

 東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。weep 眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。

 その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は、院内捜査を開始する。

 小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫。そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。



 img20061112.jpg ナイチンゲールの沈黙

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 本作は、『チーム・バチスタの栄光』続編で2部構成になっています。



 1部はヒロインの小夜と幻の歌手・水落冴子の話で、人物描写と情景描写に力が入っていて約170頁にも及ぶものでした。ダラダラと引っ張っているだけで読んでいて疲れました。angry こんなに頁をとらなくてもいいのではないのかannoy…と思う程です。

 2部に入ってようやく事件が発生し、新キャラの加納警視正が登場。このキャラもなかなかの者です。 そして、暫くたって厚生労働省の変人・白鳥も登場。加納と白鳥の絡みは面白かったのですが…田口先生と白鳥の絡みは少なくてイマイチ。

 前作と同じく『田口&白鳥』コンビで面白可笑しく事件を解決してくれるものと思いきや…期待ハズレでした。それにヒロインの小夜がやたらと目立っていて、主人公である田口先生の影がとても薄かったし白鳥も明らかにパワーダウンしてました。 残念です。本作をミステリーとしてではなく、面白サスペンスとして期待していただけに物足りなさばかりが目立って、肩透かしを食らったって感じですね~。



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 次作、12月に発売予定らしいので『田口&白鳥』コンビの復活を期待するとしましょう。

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2006年2月17日 (金)

チーム・バチスタの栄光(海堂 尊)

 第4回 『このミステリーがすごい!』 大賞受賞作とありましたが。



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 引き込まれる作品だったけど、医療用語が出てきたりして解り難い所があったなぁ~ 。それにミステリーとしてはもう一ひねり欲しかった気がする。でも、中盤あたりから登場してくる厚生労働省の変人役人の『白鳥』 がコミカルなキャラでとても面白かったhappy01 主人公の田口との絡みが笑えるsign01



 是非、白鳥シリーズ作品を出して欲しいですね )^o^(



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