小杉 健治

2007年8月13日 (月)

宿命(小杉 健治)

 凄惨だったが、単純な殺人事件に思えた。包丁で刺された男性は死亡し、被疑者の女は素直に犯行を自供している。動機も十分に納得できるものだった。だが、沢木検事は最初から違和感を拭えないでいた。そして、彼女の思わず発したひと言に沢木の疑念は確信に変わる。事件の真犯人は? そして女が隠し通そうとする秘密とは? 迫真の司法ミステリー。



 img20070813.jpg  宿命

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 本書、検事・沢木正夫シリーズの4作目。被疑者の唐突な言葉から5年前に亡くなった沢木の妻・貴子の死の真相を探ることとなる。貴子殺害事件の謎が明らかになると共に貴子の過去を知ることに。shock ほんとうのことを知ることが、必ずしも救われるのか? かえって傷つくことになるのではないか? でも、真実が知りたい。残酷な運命のいたずらに翻弄される主人公・沢木

 感情移入させられる素晴らしい作品で一気に読める。 そして、ラストでは驚愕の真実が待ち受けていた。涙するほど、久々に感動する作品に出会えた。 ぜひお勧めしたい。



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2006年8月17日 (木)

共犯者(小杉 健治)

 検事・沢木シリーズ第三弾。



 カルチャーセンター学長の辻川義和は、喫茶店で瀬崎勝と会う約束をしていたが、瀬崎は辻川の愛人、藤木令とラウンジに居た。瀬崎は行けなくなった為、代わりの者を向かわせると伝えた。

 喫茶店に来たのは、帽子をかぶり、サングラスにマスクをかけた若い男。辻川はその若い男と喫茶店を出て行き、そして…刃物で刺され殺されたshock

 容疑者に上がったのが瀬崎。沢木は実行犯が別にいて瀬崎が共犯だと確信するが物的証拠がなく逮捕できない。

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 本作、初めから犯人が解っていて、沢木がどうの様に推理し犯人を追い詰めていくか?また、昔の恋人を思い愛していたことを証明したかった。そして自分の幸せより昔の恋人の幸せを願う男を表した作品でした。



 なんとなく東野圭吾の「容疑者Xの献身」に似ている感じがしましたが…。まぁ~悪くは無い作品でしたが、もう一捻り欲しいですね。



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2006年7月19日 (水)

第三の容疑者(小杉 健治)

 検事・沢木シリーズ第二弾

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 かつて甲子園を沸かしたヒーロー堂本圭次郎が老夫婦殺害の容疑で逮捕される。ヒーローの無実を信じ青年二人が新田弁護士と共に明快な推理と巧みな法廷戦術で冤罪を明らかにしてゆく。

 時を同じくして新田弁護士の事務所近くで殺人事件が発生。shock 沢木の住むマンションの近くということもあり、沢木は現場へ直行した。そこで見た被害者に見覚えが・・・。

 沢木は、殺害される前に携帯で「クニ」と云う相手と電話しているところを目撃していたのだった。しかし逮捕されたのは被害者の後輩、栗林。沢木は栗林が犯人とは思えず「クニ」と呼ばれている人物を探し出すことに・・・。



 捜査して行くにつれ、関係のない2つの事件が微妙に関連し徐々に真実が明かされ、そして2つの事件を解決して行くのですが、検事としての沢木と一人の人間としての沢木、苦悩する様子が上手く描写されていて引き込まれました。

 また、「天使のナイフ」と同様に「贖罪」を問う作品でもありました。



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2006年7月 9日 (日)

公訴取消し(小杉 健治)

 刈谷努は少年院出の青年。森島製作所社長の懸命な支えを受けてまともな生活を続けていた。しかし、その森島が病院側の手術ミスにより脳死状態になってしまう。そして、金融会社を経営する久能十一郎が自宅で殺され shock 容疑者として刈谷努が捕まえた。

 しかし、事件を担当した検事の沢木正夫は、事件の真相が全て明らかにされていないと感じ…。



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 本作は、探偵が登場し真犯人を探し出すミステリーではなく検事が真相を究明して行くと云う一風変わった構成で、大ドンデン返しがあるわけでもなかったが、読んでいて引き込まれました。また、病院の医療ミスにおける被害者の無力さを痛感させる作品でもありました。

 しかし、妻を失った沢木検事の喪失感や、朝川弁護士の愛情を得られなかった息子の孤独感が描かれていますが、ちょっと力不足のところは否めませんでしたね weep



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