雫井 脩介

2008年12月 7日 (日)

犯罪小説家/雫井 脩介

 新進作家、待居涼司の出世作『凍て鶴』に映画化の話が持ち上がった。監督に抜擢された人気脚本家の小野川充は『凍て鶴』に並々ならぬ興味を示し、この作品のヒロインには、かつて伝説的な自殺系サイト〔落花の会〕を運営していた木ノ瀬蓮美の影響が見られると、奇抜な持論を展開する。待居の戸惑いをよそに、さらに彼は、そのサイトに残された謎の解明が映画化のために必要だと言い、待居を自分のペースに引き込もうとしていく。そんな小野川に、待居は不気味さを感じ始め―。全篇に充ちた不穏な空気。好奇心と恐怖が交錯する傑作心理サスペンス。



 img20081207.jpg  犯罪小説家

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 自信作『凍て鶴』がヒットし映画化も決まった人気作家、待居涼司。脚本・監督・主演に今をときめく小野川充が起用され、作家生活はまさに順風だった。だが、『凍て鶴』のプロットに「落花の会」との共通点を見た小野川が、ヒロイン像を蓮美になぞらえて取材を始めたのだ。気乗りしない待居だったが、徐々にペースにはまり、蓮美の死の謎に入りこんでいく。

 本作、全体的に三人称で進んでいるのだが、全く以って誰が主人公なのか分からないし、いったい何を目指しているのかも分からない。事件が起こる訳でもなく、脚本家の交わす会話やネットの書き込みだけで話が進み、登場人物と全く関係のない過去の事件をがむしゃらに調べる意味が不明である。誰の感情も伝わってこないため感情移入しにくく、片寄った考えに固執し読む者を不愉快にさせる作品である。angry

 今年読んだ作品の中でワースト3に入る愚作だった。



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2007年11月20日 (火)

ビター・ブラッド(雫井 脩介)

 ベテラン刑事の父親に反発しながらも、同じ道を歩む息子の夏輝。夏輝がはじめて現場を踏んでから一カ月が経った頃、捜査一課の係長が何者かに殺害された。捜査本部が疑う内部犯行説に、曲者揃いの刑事たちは疑心暗鬼に陥るが…。初の現場でコンビを組む事になったのは、少年時代に別離した実の父親だった―。「犯人に告ぐ」、「クローズド・ノート」で各界から大きな注目を集める著者、待望の最新ミステリー。



 img20071120.jpg  ビター・ブラッド

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 父親が仕事で家庭を顧みず働き、その挙句、母が家を出て行き家庭崩壊する。そんな父親に反発しながらも同じ道を歩む息子。そして、昔気質の頑固親父の刑事がでてきて息子とコンビを組み事件解決。よくある親子刑事物語のストーリ展開と思いきや、本書は違っていた。

 親子の会話はまさにコメディで読むほどに笑えてくる。こんな父親がいるのか?と思えるほど。ミステリーとしてはイマイチだが、捜査一課の一癖も二癖もありそうな刑事たちの描写が良い。同じ刑事であるにも係わらず手の内を見せないところの駆け引きは上手く描けている。また物語の展開に目が離せない、『犯人に告ぐ』に続き楽しく読めるエンターテイメント作品だ。



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2006年4月10日 (月)

犯人に告ぐ(雫井 脩介)

 2004年 第7回 大薮春彦賞受賞作品。

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 6年前の幼児誘拐殺人事件、テレビでの記者会見での失態で左遷された巻島史彦。連続幼児殺害事件が起き捜査に行き詰まった警察は、巻島を抜擢しテレビと組んで公開捜査を開始。



 犯人と警察との攻防戦、そして警察内からのリーク(情報漏れ)。メディア間のスクープの抜き合いが見物でしたねsign01 しかし、ラストは・・・。チョットね~ 呆気なかったです。



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