仙川 環

2008年10月26日 (日)

聖母(ホスト・マザー)/」仙川 環

 代理母は聖母なのか!?医学界最大のタブーにベストセラー『感染』の著者が敢然と挑む傑作サスペンス。

 女性作家でなければ描けない子供が出来ない悲劇。代理母は許されるのか。現代の最先端の医学知識を駆使して表現された感動作。



 img20081026.jpg 聖母(ホスト・マザー)

icon



 本書は、子どもを生めない、しかし子どもが欲しいと願う女性と、その家族が直面する様々な苦悩を描いた作品。『無言の旅人』に続く重いテーマである。

 海外で代理出産をすることの是非については問題がある。日本人が嫌なことを海外の女性に押し付けていいものか、或いは金銭授受を伴うことから人身売買であるという指摘。これらの問題を踏まえ、代理母は許されるのか?を問う。

 内容紹介では感動の傑作サスペンスとあるが、結末の意外な事実はある程度予測できたもので感動するほどでもなかった。sleepy



stars-2-5-.gif


| | コメント (0)

2008年7月 6日 (日)

無言の旅人/仙川 環

 人は誰のために生き、誰のために死ぬのか―。交通事故で意識不明になった三島耕一の自宅から見つかった尊厳死の要望書。希 望を叶えるべきか否か、婚約者、家族、医者は激しく動揺する。しかし、苦渋の選択を強いられた周囲の思いもむなしく、耕一は突然息を引き取った。殺人か、 医療ミスか?原因究明に乗り出した婚約者が掴んだ不可解な事実とは。



 img20080706.jpg  無言の旅人

icon



 両親を亡くし、父が残した店を生き甲斐に一人で生きていこうと決めた主人公の大木公子。結婚なんてとうの昔に諦めていたのに、三島耕一と会うことができた。それまでの人生は、耕一と会うための助走期間のようなものだったのかもしれない。そして、これからの人生は、温かく楽しいものになるはずだった。なのに耕一は、交通事故で意識不明となり、尊厳死の要望書を残していた。公子には不幸が付きまとう運命なのだろうか。それとも、幸せに舞い上がっていた公子自身が不幸を引き寄せてしまったのだろうか。weep

 死をどう考えるかは人によって違う、家族の間で意見が割れ、いがみ合いが起こる可能性だってある。本作は、尊厳死をテーマに愛する人の意思を理解するということの困難さを丁寧に描いた作品である。

 ミステリー的要素は、あまり強調されていないが、重いテーマを扱った内容だけに読む者に訴え、また考えさせられる作品に仕上がっている。



stars-3-5-.gif


| | コメント (0)