大村 友貴美

2008年10月13日 (月)

死墓島の殺人/大村 友貴美

 岩手県沖の小島、偲母島。この島の断崖で、島長の海洞貞次の他殺死体が発見された。捜査のために偲母島に渡った藤田警部補は、この島が地元の人々から「死墓島」という不吉な名前で呼ばれていることを知る。その名の由来は、島に残されたおびただしい数の墓石だった。なぜこんなにも多くの墓石が残されているのか?閉鎖的な島民たちを相手に捜査を開始した藤田は、次第に死墓島の裏の歴史を知ることになる。横溝正史の正統な後継者が描く、傑作長編推理。



 img20081013.jpg  死墓島の殺人

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 舞台は江戸時代からの流刑の地で、各所に刑場のある島「死墓島」。ここで、当時の残虐な死刑の方法を模して、連続殺人が起こる。断崖から死体を吊るしたり、生きたまま溺死させたりと、まさに雰囲気は横溝正史である。裏に隠されたのは凄惨な歴史と、真実を藤田警部補が解き明かす。

 本書、殺人の動機や手段もありふれたものではあるが、陰惨でいわくつきの島という舞台は横溝正史ばりのプロットで良かった。然しながら登場人物のキャラが立ってなかったのが残念だった。それと複雑なトリックやドンデン返しも欲しいところである。weep



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2007年8月11日 (土)

首挽村の殺人(大村 友貴美)

 第27回横溝正史ミステリ大賞受賞作。



 『ますます事件は奇怪だ。尋常ではないね』岩手県でもとりわけ雪深く、過疎に悩む鷲尻村。無医村の状態が続いていたこの村に、東京から待望の医師・滝本志門がやってきた。しかし、滝本の着任以後、村では謎の変死が立て続けに起こる。それは、殺害後の遺体を異様な形で人目に触れさせるという、前代未聞の連続猟奇殺人事件だった。 shock

 この村が「首挽村」という不吉な名前で呼ばれる理由とは? 村人すら忘れかけていた忌まわしい過去が、事件の真相を浮かび上がらせる―。



 img20070811.jpg  首挽村の殺人

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 本書、長らく無医村状態だった村に、東京から医師・杉総一朗がやって来るが、5カ月後に杉は崖から転落して命を落とす。杉の後継に同期の滝本志門が着任するが、滝本が村に来てから忌まわしい”昔話”になぞられた連続猟奇殺人事件が起こる。『首挽村』という不吉な名前の由来、村人すら忘れかけていた忌まわしい過去が、事件の真相を浮かび上がらせる。

 過疎化や少子高齢化、町村合併、自然破壊などの問題にあえぐ東北の寒村が舞台であり、陰惨な歴史をちりばめ、現代の田舎の問題点を上手く取り入れている。しかし、情景描写はイマイチsign01自然の驚異が伝わってこない。そして、人物描写も不足しているため人物の魅力が伝わってこないのが残念だ。weep また終始、場面と語り部が変わるので、出来事が連続で繋がりにくい。



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