堂場 瞬一

2008年11月 2日 (日)

青の懺悔/堂場 瞬一

 刑事は辞めても刑事なのか――。人生の挫折はいくらでも取り戻せる。だが、それができるのは過ちに対し、責任を取る姿勢がある人間だけだ。

 神奈川県警を辞め、横浜で私立探偵の看板を掲げた真崎薫は、ネコ探しを依頼されるなど、慣れない探偵業に無聊をかこつ日々を送っていた。そんな真崎薫のもとに、高校時代の仲間、長坂が現れる。その再会は、事件の始まりに過ぎなかった――。



 img20081102.jpg  青の懺悔

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 ある日、高校野球部のかつての友人、長坂が訪ねて来る。スポーツ選手の代理人をやっているとのことだが、なかなか上手くいかないようで、真崎と 同様、燻る日々らしい。それから数日後、長坂が結城を伴って真崎の元を再訪する。結城も高校時代の仲間であり、プロ入りした野球選手 で、FA権を取得後、メジャーへ挑戦したが思うような成績は残せず、2年で日本に戻り、元のチームでプレーすることになっていた。憔悴した 様子の結城は、息子・翔也が誘拐されたと真崎に打ち明けるのだった。

 本書は、誘拐事件に元警察官の探偵が挑んでいくというストーリーで、ミステリーものではなく、どちらかといえばエンタメ系の作品で中盤あたりに犯人が解ってしまうというのはいただけない。今までにも著者の作品には野球関連が多いが、今回の主人公の真崎は、ディテールにこだわりを持つという刑事・鳴沢了とを混ぜ合わせたような感じになっている。前回読んだ“長き雨の烙印”を彷彿させるような、読み進めるに連れて謎が深まるような作品でなかったのが残念である。weep



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2008年4月27日 (日)

長き雨の烙印(堂場 瞬一)

 殺人事件の犯人として連行される親友の庄司を、学生の伊達はただ見送るしかなかった。県警捜査一課で中堅の刑事となった今、服役を終えた庄司が冤罪を申し立てた。しかし、その直後に再び似通った手口の女児暴行事件が起きる。伊達は20年前のある記憶を胸に、かつて庄司を逮捕したベテラン刑事・脇坂と対立しながらも、捜査にあたるが―。



 img20080427.jpg  長き雨の烙印

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 “冤罪”無実であるのに犯罪者として扱われ、人生の全てを失ってしまう。警察は完璧な人間の集まりではないのは解るが、しかし警察の強引な捜査が温床になっているのは間違いなく、あってはならないこと。angry

 本書は、冤罪をテーマに親友を目の前で逮捕され、何もできず20年間背負い続けていた負い目を払拭するため、親友を救おうとする刑事と、冤罪立証に未来をかける弁護士、そして娘を殺された父親の物語である。

 20年前に起きた事件は本当に冤罪だったのだろうか?別に真犯人がいて第二の事件を起こしたのか?それとも模倣犯なのか?読む進めるにつれ謎が深まり、ページを捲りたくなる作品だった。



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