鏑木 蓮

2009年9月11日 (金)

屈折光/鏑木 蓮

 乱歩賞作家による最先端医療ドラマ

異常プリオンが天才脳外科医を襲う――

父娘、師弟が抱えた壮絶なる葛藤と秘められた想い。



 獣医師・内海綾子の周囲に異変が連続する。創薬コーディネーターの恋人が変死し、発見現場近くの牧場からはBSEの疑いがある牛の白骨体が発見される。そして勘当された天才脳外科医の父親が入院する……。すべてを解く鍵は、父親から消えゆく記憶と意識だった。



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 父と子の愛と対立が上手く描かれ、文体も易しくスラスラと読み進むことができる。サスペンスとしての出来は、中途半端だったが、読後は爽やかさが残る作品だった。



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2009年2月7日 読破

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2007年2月18日 (日)

東京ダモイ(鏑木 蓮)

 第52回江戸川乱歩賞受賞作



 男は帰還(ダモイ)を果たし、全てを知った。

 極限の凍土・シベリア捕虜収容所で起きた中尉斬首事件。

 60年間の沈黙を自らに強いた男が突如、姿を消した…。

 風化する歴史の記憶を照射し、日本人の魂を揺さぶる感動作sign01



 img20070218.jpg 東京ダモイ

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 本書は、戦後のシベリア抑留兵の実態を描きつつ、強制収容所内で発生した日本人将校の不可解な“斬首事件”と現代日本で起きた“ロシア人女性殺人事件”。これらの謎をシベリア当時二等兵だった老人の手記が綴られた『俳句集』を手掛かりに解き明かします。そして、シベリア、満州を合わせて30万人の死者を出したとされる広島・長崎原爆に匹敵する大惨事、シベリア抑留者の“強制労働”を風化させていいのか?また、“ダモイ”という言葉の意味を理解できるのか?を問う壮大な物語です。



 シベリア抑留を回想するシーンでの過酷な生活の描写には凄いものがありました。shine 話には聞いていましたが、ここまで過酷だったとは思っていなくて良い勉強になりました。しかし、作中に詠まれる俳句の解釈が困難で、刑事や主人公たちの謎解きもイマイチで引き込まれなかった。トリック自体にもかなりの無理が感じられました。weep



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