柚月 裕子

2010年8月23日 (月)

最後の証人/柚月 裕子

 元検察官の佐方貞人は、刑事事件を専門に扱うやり手弁護士だ。そんな佐方の許に、かつて在籍した地検の所在地で起きた殺人事件の弁護依頼が舞い込む。高層ホテルの一室で起きた刺殺事件。物的証拠、状況証拠ともに、依頼人が犯人であることを示していた。男女間の愛憎のもつれが引き起こした悲劇。世間やマスコミの誰もが、依頼人に勝ち目はないと見ていた。しかし佐方の、本筋を見抜くプロの勘は、これは単純な事件ではないと告げていた。敗戦必至の弁護を引き受けた佐方に、果たして勝算はあるのか。やがて裁判は、誰もが予想しなかった驚くべき展開をみせる…。

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 デビュー2作目にして、読者をうならせる出来栄えとなって注目を浴びている著者の柚月裕子。誰がみても絶対に負けると思われた事件に、ひとりの弁護士が挑む。その根拠は“プロの勘”だけ。それで奇跡の逆転劇に持ち込んだ。ともすると重くなりがちな法廷ミステリーを見事なまでに読み物にしてしまった、著者の実力に注目が集まる。目が離せない作家の登場は、初期作品から読むと一味違った読書の醍醐味を体験できる。

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2009年10月18日 (日)

臨床真理/柚月 裕子

 2008年 第7回 『このミステリーがすごい!』大賞受賞作品



 臨床心理士の佐久間美帆は、勤務先の医療機関で藤木司という二十歳の青年を担当することになる。司は、同じ福祉施設で暮らしていた少女の自殺を受け入れることができず、美帆に心を開こうとしなかった。それでも根気強く向き合おうとする美帆に、司はある告白をする。少女の死は他殺だと言うのだ。その根拠は、彼が持っている特殊な能力によるらしい。美帆はその主張を信じることが出来なかったが、司の治療のためにも、調査をしてみようと決意する。美帆は、かつての同級生で現在は警察官である栗原久志の協力をえて、福祉施設で何が起こっていたのかを探り始める。しかし、調査が進むにつれ、おぞましい出来事が明らかになる。



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 本書、臨床心理士が患者である障害者をカウンセリングしていく過程で、ある事件に絡んでいくというもの。序盤は大したことはなく、中盤あたりから引き込まれる作品ではあった。だが、途中で真犯人が解ってしまうのはいただけない。障害者に関連する犯罪だっただけに難しかったのか。



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2009年3月15日 読破

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